2024年11月8日
毎年7月1日に始まり、丸1か月間続く祇園祭はご承知の通り日本三大祭りであります。中でも、17日と24日の御神輿の渡御、山鉾巡行で最高潮を迎えます。
例年、気温は35度を超え、蒸し暑い京の夏を乗り越えることは、千年来、京都人にとり一番の難事でございました。海から遠く離れた都では、新鮮な海産物が乏しく、特に酷暑の夏、唯一生のまま届けられたのが鱧でございます。
この貴重なたんぱく源である鱧を京都人は殊の外、珍重いたしました。しかしながら小骨が多く、実に扱いづらいものでありました。そこで、鱧の骨切りという特殊技術が生まれました。細かく骨切りされた鱧は淡雪のように白く、淡白ながらも上品な旨味に溢れ、夏の京都を代表する「うまいもの」の第一であります。
美食家で知られた谷崎潤一郎先生も一番の好物でございました。
材料(4人分)
鱧 …… 1尾(約500g)
ごぼう(茹でる) …… 1本
モロッコいんげん(茹でる) …… 1本
昆布 …… 20㎝長さ1枚
出汁 …… 3カップ
塩、葛粉、酒、薄口醬油
青柚子皮
作り方
*この記事の内容は、京都の名割烹「浜作」三代目が主宰、3万人が通った料理教室のレシピ本『京ぎをん浜作料理教室 四季の御献立』(著者:森川裕之)に掲載されています。