ここからしか見えない京都
  
©KBS京都/TOKYO MX/BS11

新進気鋭の料理人が新風を吹き込む京料理

ジャンルを超えた京料理が満載

長い歴史に培われた京料理は、いまや世界中から注目の的。食材の持ち味を存分に引き出した料理は、こだわり抜いた器に彩りよく盛り付けられ、一皿ごとに料理人の美意識が反映されています。今回は京料理に新たな風を吹き込む、新進気鋭の若手料理人に常盤貴子さんが出会います。

平安神宮から徒歩5分ほどにある「日本料理 研野(けんや)」は、2021年のオープンからわずか2年で、ミシュラン1つ星を獲得した新進気鋭の京料理店です。オーナーシェフの酒井研野さんは京料理の名店「菊乃井」で修業後、NYの和食店、京都の有名中華料理店などで、ジャンルを超えて腕を磨いてきました。店はカウンター8席のみの小さな割烹で、提供するのは店主おまかせのコース料理のみ。およそ10品で構成されるコース料理の中に、毎回必ず提供される名物があります。それは八丁味噌ベースのタレに漬け込んだ京もち豚のチャーシュー。和食と中華をミックスさせた吹き寄せ盛りにし、季節感たっぷりに。合わせる日本酒は酒井さんの故郷、青森の地酒。長年地元の人に愛されている酒から幻の名酒まで、料理と相性抜群の酒をラインナップしています。

京もち豚を客の目の前であぶる酒井さん。甘くて香ばしい香りが食欲をそそる ©KBS京都/TOKYO MX/BS11
見た目はチャーシューだが、山椒の香りや香味野菜の風味でしっかりと和食のテイストに。ここでしか味わえない逸品 ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

食材にこだわり、名物を引き継ぐ

2020年にオープンした「南禅寺HARADA」の店主・原田諭(さとし)さんは、飲食店勤務を経て、独立を志し京都へ移住。将来を模索している時、京料理に欠かせないダシの魅力に気づきました。南禅寺HARADAでは北海道・松前の昆布に鹿児島・枕崎のカツオ節、そして奄美大島近海で獲れたマグロ節と、伏見の酒の仕込み水を使って、その場で仕上げる一番ダシで料理を提供します。塩、砂糖、醤油、みりん、味噌などの調味料は一切使いません。お客は1日1組限定。コースはダシのテイスティングから始まり、ダシが野菜の味を引き立てる前菜や、「野菜のたいたん」がゆっくりと登場します。メーンは名物の親子丼。昆布やカツオ、野菜のうまみが加わったダシで京都産の若鳥をじっくりと炊き、卵黄をのせたら味わい深い親子丼のできあがりです。

京都で出会ったダシに虜になった原田さん。削りたてのまぐろ節の上からダシを加え、コーヒーのようにドリップする独自の手法だ ©KBS京都/TOKYO MX/BS11
昆布、カツオ、マグロの3つの旨味が層のように重なったダシを、グラスでテイスティング。 ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

「天若(てんじゃく)」は西陣で1963年創業した日本料理店。店主の西岡瞭(りょう)さんは京都の有名料亭で修業後、2021年に祖父が築いた店を引き継ぎました。8席のみのカウンターは、祖父の代から使う樹齢千年を超えるといわれる檜の一枚板。提供される料理は八寸から始まり、椀物、お造り、天ぷらが供されるおまかせコースです。天若の名物料理は先代が考案した豆腐の天ぷら。揚げ出しとはまた違ったふわふわとした食感が口に広がります。西岡さんが作る天ぷらは、自ら生産者の元に出向いて仕入れた旬の野菜。シンプルながらこだわり抜いた一品です。

秋を感じさせる天若の八寸。花屏風をあしらった盛り付けは先代が考案 ©KBS京都/TOKYO MX/BS11
名物の豆腐の天ぷら。絹ごし豆腐のみずみずしい食感を損なわず、ふんわりと仕上げるのが職人の腕の見せどころだ ©KBS京都/TOKYO MX/BS11

【次回放送情報】
■京都画報 第25回「京料理の進化形 -新・予約の取れない名店-」
BS11にて10月9日(月・祝)よる7時00分~7時55分放送
出演:常盤貴子

※ 放送後、BS11+にて10月9日(月・祝)よる8時~ 2週間限定で見逃し配信いたします。

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