まだまだ、コロナ禍が続いていますが、今年の夏は三年ぶりに祇園祭の山鉾巡行が執り行われたということで、大きな話題になりましたね。
私自身、方々から「京都と言えば、三年ぶりに祇園祭やるみたいですね~」なんて話題を振っていただいていたのですが、実は祇園祭、去年も一昨年も中止していたわけではありません。
祭りの花形である山鉾巡行等々が、中止になっていただけなんです。
それでもメインイベントが中止になったことで、祭りは灯りのついていない提灯のような寂しさを漂わせていたので、今年の復活は本当に嬉しく思っていました。
さて、お祭りといえば、私が個人的におすすめしたい夏祭りがあります。
それは下鴨神社の『みたらし祭』です。
このお祭りは、色んなところでオススメしていますし、著作にも書いているので、私をよく知る方は「望月さん、また、『みたらし祭』って言ってる」と笑うかもしれませんが、何度でも声を大にして伝えたい、大好きなお祭りなんです。
『みたらし祭』は、毎年土用の丑の日の前後に行われ、神様に無病息災を祈るお祭りです。こう書くとごく普通のお祭りのようですが、裸足で境内を流れる川から御手洗池の中に入り、火を灯したロウソクを祭壇に献灯するという、私にとって今までに出会ったことがないお祭りでした。
蒸し暑い真夏の夜でも、御手洗池の水は驚くほど冷たく、少し怯みながら足を付けて、池の中をジャブジャブと進んでいくと、祭壇が見えてきます。
そこに、たくさんの人たちが献灯したロウソクがずらりと並び、ゆらゆらと小さな灯を揺らしています。その灯は池に反射して、水面がぼんやり光って見えるのです。
それは厳かで美しく、幻想的な光景でした。
水から上がった後は、持参したタオルで足を拭き、ご神水をいただいて、参拝を終えます。
ちなみに、なぜ、足を水につけるのかというと、足には人の罪や穢れが溜まるそうです。
このお祭りの神様・『瀬織津姫』様が、そんな溜まりに溜まった罪や穢れ、そして災い等をすべて集めて大海原に流してくださるそうです。
いやはや、とてもありがたいですね。
初めて『みたらし祭』に参加した時は、「思ったより水が冷たい!」「わぁ、祭壇が幻想的」「こんなお祭りがあるなんて!」と子どもたちと一緒になって大興奮でした。
すっかり魅了されて、今や毎年参拝しています。
私にとって、夏の風物詩ですね。
祇園祭の話に戻りますが、ご存じの方も多いでしょう、元々祇園祭は、京の町に蔓延する疫病を退散させるために執り行われたものです。
その話を聞いた時、「疫病退散なのに、人が集まるお祭りをするなんて、逆効果だったのでは?」と苦笑していました。
ですが、今は少し考えが変わりました。
人は楽しいことがあるから、病に打ち克つことができることもあります。家に籠り、人に会わないようにして怯えて生きるよりも、祭りを心待ちにして、うんと楽しむ方が、病と闘う力になったのではないか、と思っています。
これからどんどん時代は変わっていくでしょうが、お祭りはどんなに形を変えてもなくならないと信じていますし、これからも残り続けてほしいと願っています。
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