早いもので、12月も下旬。
毎年、町はクリスマスまでは煌びやかで浮かれた雰囲気ですが、クリスマスが終わった途端、一気に年越しのムードに切り替わる。この慌しい年末年始の雰囲気が、私は嫌いではありません。
さてさて、今年が終わりを迎えようとしているなか、早くも来年に想いを馳せている方もいるのではないでしょうか。
来年は巳年。
せっかくですので、今回は蛇とかかわりのある神社を紹介させていただきます。
何かとお世話になっている北区に鎮座している『玄武神社』。
ここは、京都三大奇祭『やすらい祭』発祥の地で、疫病や厄を祓い、無病息災のご利益があることで知られています。
「あれ、ここは『玄武』の神社で『蛇』ではないのでは?」
と、思われる方もいるでしょう。
いえいえ、玄武というのは体が亀で、尾は蛇。亀は長寿を、蛇は金運を暗示しているため、非常に縁起の良い神獣なのです。また、尾の蛇が亀の体に巻き付き、顔を向かい合わせていることから、『陰陽の融合』を示しているという説もあるとか。
ぜひ、2025年は玄武神社を詣って、厄を祓い、健康長寿と金運、さらに陰陽の融合──つまり良縁を願ってみるのはいかがでしょうか。
銀閣寺へ向かう哲学の道を奥へ向かっていると、大豊神社に辿り着きます。
私が十年前に京都に来たばかりの春、三十年ぶりに大豊神社境内の梅と桜が同時に咲いたというニュースを聞き、『京都に来てすぐに、こんな素敵なニュースを聞けたなんて』と感激して自転車で駆け付けたものです。
本殿を囲むようにして咲いていた枝垂れ梅と枝垂れ桜の神秘的な美しさは、今も強く心に残っています。
まるで京都に来たばかりの自分を歓迎してくれているようで、とても嬉しかったものです。
そんなふうに私にとって思い出深い大豊神社は、狛鼠の印象が強いですが、実は境内には鼠だけではなく、狛猿、狛鳶、狛狐、そして狛蛇の姿があり、本殿の向かって左側に黒い狛蛇、右側には白い狛蛇が鎮座しています。
ご利益は、治病健康、福徳長寿、学業成就、縁結び、子授け安産とのことで、ぜひお詣りしてみてください。
言わずもがな、上賀茂神社と共に『葵祭』を執り行っている由緒がある『下鴨神社』です。
世界遺産でもある、とても有名な神社であり、私にとっても思い入れが深い神社です。
というのも、私が京都に引っ越してきたばかりの頃、下鴨神社の裏手の貸家(知人の家)に住んでいたので、朝は下鴨神社の太鼓の音で目を覚まし、夕方は下鴨神社の太鼓の音を聞きながら夕食づくりをし、夜洗濯物を畳んでいると境内から神楽の音色が聞こえてくるという馴染み深さでした。
そんな『下鴨神社』には、それぞれ干支を祀った言社という七つのお社があります。
その年の干支は、言社の中央に祀られるので、来年は巳年が大きな絵と共に祀られるでしょぅ。
巳年以外の方も、自分の干支のお詣りをできるのが嬉しいところ。
また、蹴鞠発祥の神社としても知られておりまして、年始に『蹴鞠初め』という行事があります。
来年は1月4日13時30分からだそうで、大河ドラマ『光る君へ』で平安の世界に魅せられた方は、ぜひ、実際の蹴鞠を観に行かれるのも良いのではないでしょうか?
以上が、私がオススメする巳年にまつわるおすすめ神社でした。
実は巳年に関係する神社は、上賀茂の『大田大社』、八瀬の『九頭竜大社』、銀閣寺近くの『天龍白蛇弁財天』、京都御苑内の『白雲神社』に『厳島神社』などがあるのですが、私自身まだ行ったことがないので、紹介は控えました。
私自身は、来年これらの神社を詣りたいなと思っております。
ではでは、2024年、本当にありがとうございました。
今年、デビュー10周年で、本当に楽しくアッという間の一年でした。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
【今年の刊行一覧】
・仮初めの魔導士は偽りの花(KADOKAWA)
・京都梅咲菖蒲の嫁ぎ先2(PHP研究所)
・京都寺町三条のホームズ21&コミック版13(双葉社)
・秘密の相関図(児童書アンソロジー)(ポプラ社)
・京都下鴨神様のいそうろう(KADOKAWA)
・満月珈琲店の星詠み6(文藝春秋)
・コミック版 京都梅咲菖蒲の嫁ぎ先(KADOKAWA)
・京都船岡山アストロロジー4(講談社)
【新刊情報】
2025年1月9日
コミック版 京都寺町三条のホームズ14
(漫画:秋月壱葉/原作:望月麻衣)