ここからしか見えない京都
  
建勲神社の神門。曲線を描く屋根が、穏やかな雰囲気を醸す

信長ゆかりの神社は送り火の絶景ポイント

今回から3回連続で、本能寺の変によって人生を大きく左右された人物ゆかりの地を訪ねる。まずは織田信長。

京都のお盆の行事、五山送り火。もっとも有名な観賞ポイントになっているのが、北区(むらさき)()にある船岡山公園だ。公園のすぐ横には「けんくんさん」こと、「(たけ)(いさお)神社」が建つ。境内からの眺めはもちろん絶景だ。

祭神は織田信長。天下統一を目指し、朝儀復興などを進めた信長の功績に対し、明治天皇から宣下(せんげ)されて1869年(明治2年)に創建され、1880年(明治13年)に新たに社殿が造営された。拝殿の内側には、信長の36人の臣下を描いた「三十六功臣」の絵が掲示されている(現在は12人を1年ごとに入れ替え)。同社には信長を崇敬する人々から、信長ゆかりの武具や書物、再現刀など多数の寄進があり、「京都刀剣四社」(ほか粟田神社、豊国神社、藤森神社)の一つとされている。刀剣ファンに人気が高く、2015年の夏からは4社をめぐると、特別な刀剣御朱印が授与される御朱印めぐりも開催されている(不定期)。また10月19日の「船岡大祭」では、信長が生前好んで舞った仕舞『敦盛』や、火縄銃演武の奉納などが行われる。

桶狭間の合戦の出陣の際に、信長が舞ったといわれる『敦盛』の歌碑

建勲神社の南参道を下ると船岡温泉がある。“温泉”と付いているが、温泉が湧いているわけではなく昔ながらの銭湯。創業は1923年(大正12年)で、風呂が楽しめる料理旅館「船岡楼」が始まりだという。戦後は銭湯を専業として営業を開始した。(から)破風(はふ)造りの建物は国の登録有形文化財で、脱衣所の格天井には天狗と牛若丸が。欄間には透かし彫りで京都三大祭りの一つ・葵祭の様子などが描かれている。色鮮やかなマジョリカタイルの内装も、レトロな雰囲気が味わえる。姉妹湯の藤ノ森温泉は、現在カフェ「さらさ西陣」として営業している。

銭湯の雰囲気を楽しみながらおいしい料理が味わえるカフェ「さらさ西陣」

次回は明智光秀、3回目は細川ガラシャを取り上げる。

制作著作:KBS京都 / BS11

【放送時間】
京都浪漫 悠久の物語
「都を見守る船岡山〜信長ゆかりの神社と隠れた名所〜」
2022年5月23日(月) よる8時~8時53分
「明智光秀 最期の17日間~コロナ禍で発見された知られざる戦の記録~」
2022年5月30日(月) よる8時~8時53分
「細川ガラシャ 波乱の生涯~花も花なれ 人も人なれ~」
2022年6月6日(月) よる8時~8時53分
BS11(イレブン)にて放送

この記事を書いた人
旅行読売出版社 メディアプロモーション部
 
月刊「旅行読売」は創刊56周年を迎え、日本で一番歴史のある旅行雑誌。国内外に地域の魅力を発信して、交流人口を増やすことで、地域の発展に貢献することを目指しています。毎月28日発売。  
 

タグ一覧

#人気ワード