貴重な文化財や伝統文化などが楽しめる冬の観光キャンペーン「京の冬の旅」が始まる。第59回(2025年1月~3月)は、世界遺産「古都京都の文化財」登録30周年を記念し、通常非公開の寺院の文化財を特別公開。さらに再興20周年を迎える「洛陽三十三所観音霊場」の寺院の庭園や仏像、襖絵などの文化財を期間限定で特別公開する。
ぶらりと自由気ままに見て回るのも楽しいが、乗り換えや食事を考えず、効率よく寺社を巡ることができるのが京都定期観光バス「おこしバス」だ。今回の「京の冬の旅」のテーマに合わせて4コースを運行。そのうちの「洛陽三十三所観音霊場」の3カ寺をめぐる、「新春ご利益 札所の特別公開めぐり」を紹介しよう。「おこしバス」はJR京都駅烏丸口のりばから出発する。
最初に訪れたのは「椿寺」の愛称で親しまれる地蔵院だ。通常非公開の本堂に安置する本尊・五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀如来像は、髪が長く伸びた大きな頭部が特徴。洛陽三十三所観音霊場第三十番札所の観音堂も、期間中は本尊で秘仏の十一面観音菩薩立像を特別公開する。
昼食は西陣にある天ぷら会席の発祥「天㐂(てんき)」へ。揚げたてサクサクの天ぷらが堪能できる。
続いて向かうのは洛陽三十三所観音霊場の第一番札所で、「六角堂」の通称で知られる頂法寺。聖徳太子が夢のお告げによって六角形の本堂を建て、自らの念持仏である如意輪観音像を安置したと伝えられる。本尊は秘仏で非公開だが、厨子の前の御前立(おまえだち)が拝顔できる貴重な機会だ。ちなみに寺は「いけばな」発祥の地。隣接する池坊(いけのぼう)会館には、いけばなの歴史が学べる資料館がある。
最後に参拝するのは、洛陽三十三所観音霊場の第二十七番札所、「因幡(いなば)堂」の通称で知られる平等寺だ。平安時代の貴族、橘行平(たちばなのゆきひら)が夢のお告げによって因幡国(鳥取県)の海中から発見したという薬師如来立像が本尊で、期間中は特別公開される。また観音堂に祀られた2体の十一面観音菩薩像も拝観できる。
制作著作:KBS京都 / BS11
【放送時間】
京都浪漫 悠久の物語
「京の冬の旅〜バスで行く観音霊場めぐり〜」
2024年12月16日(月) よる8時~8時53分
BS11(イレブン)にて放送