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河井寛次郎造 黒釉黄縞鉢

京都 板前割烹の元祖「浜作」 京風お煮しめのレシピ

祝い事でも、弔い事でも、人が寄れば食事が必要となります。
人数も何人集まるかわからない時、こういう大鉢に盛ったお煮しめが活躍します。
お煮しめとは「煮て、味を染める」ということです。
本来は材料全部を同じ鍋で、同じ出汁を用いて煮るものですが、こうすると「ごった煮」のようになってしまい、見栄えがよくありません。
そこで同じ出汁を用いて順番に焚いていけば、それぞれの味を合わせた、美味しく、綺麗な仕上がりとなります。

京風お煮しめ

材料

かまぼこ……1本
高野豆腐……1個
椎茸……8個
出汁巻(卵6〜7個に対して出汁140㏄で焼く)……1本
生湯葉……5枚
三つ葉……1束
柚子
出汁、酒、薄口醬油、砂糖

作り方

  1. かまぼこは8等分に切り、出汁カップ3で煮る。沸いてきたら酒カップ1を入れて更に煮る。薄口醬油小さじ4で味を調える。
    「かまぼこには本来味がついているので長く煮る必要はありません」。
  2. 1の煮汁の⅔量(約カップ2)で戻しておいた高野豆腐を煮、砂糖大さじ1、薄口醬油小さじ1を加える。
    「高野豆腐は調味料を入れずに焚くととろけてしまうので、必ず調味料を入れた出汁で焚かなければいけません。又、味付けを少し甘めにすると、ザラザラ感がなくなります。高野豆腐や湯葉、椎茸のような精進料理を源とする素材は、カロリー摂取量を多くする為、元来甘く味付けされてきたという歴史をもっています」。
  3. 2の煮汁で下茹でした椎茸を5〜6分煮る。更にその煮汁で一口大に切った出汁巻を2〜3分煮る。それぞれ煮汁に浸けたまま冷ます。
  4. 湯葉は半分に切って重ね、更に十文字に切って重ね、竹の皮で縛る。残しておいた⅓の煮汁で3分程ことことと煮、火を止めて味を含ませる。
    「良質の湯葉はあまり長く焚くと溶けることがあるので注意して下さい」。
  5. 三つ葉はさっと湯通しして水に落とし、出汁に浸けておく。
  6. そのままでも、温め直しても良い。各々食べやすい大きさに切って盛り付け、ふり柚子をして香を添える。春は木の芽を添えると良い。

*この記事の内容は、京都を代表する名店「浜作」の名物料理、逸品のレシピを惜しげもなく収載した書籍『愛蔵版 和食の教科書 ぎをん献立帖』(著者:森川裕之)に掲載されています。

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