京都に春を告げる風物詩「都をどり」。東山区にある祇󠄀園甲部歌舞練場では、今年もまた芸舞妓が華麗な舞を披露します。そこで常盤貴子さんが「都をどり」の歴史をたどり、旅で楽しみたい祇󠄀園グルメを紹介します。
「都をどり」は祇󠄀園甲部の芸舞妓、およそ70人が日ごろの稽古の成果をお披露目する晴れの舞台。最初に「都をどり」が開催されたのは1872年(明治5年)で、前年から始まった京都博覧会の催しの1つとして行われました。当時は1日5回、夕方から深夜まで上演した「都をどり」は80日間行われ、外国人も含めた多くの観光客を魅了しました。
そんな「都をどり」も今回で第149回目、7年ぶりの本拠地・祇園甲部歌舞練場での公演です。2016年から始まった大改修を経ての
演目も祇󠄀園の新時代の幕開けと京都の繁栄、さらにその栄華が世界に広がっていくことを願い、2023年の「都をどり」のタイトルは「新華舞台祇󠄀園繁栄(あらたなるはなぶたい ぎおんのさかえ)」。東・西本願寺から八坂神社まで、古今東西の慶事を一景から八景で構成し、およそ1時間の公演で京都の四季を表現します。最終、八景の舞台を飾るのは「祇󠄀園」の地名の由来となった八坂神社。桜が満開となった八坂神社境内を背景に、大勢の芸舞妓が出演、「都をどり」は盛大にフィナーレを迎えます。
風情豊かな景観が残る祇󠄀園白川。「広東御料理 竹香(たけか)」は、土地柄、祇󠄀園町の芸舞妓やお茶屋関係者も御用達にしている人気店です。匂いが強いネギやニンニクなどを使わないシンプルな「すぶた」や、クレープ状の柔らかい生地にしっかり具が詰まった「かやく巻揚げ(春巻き)は、舞妓さんも食べやすいにように一口大にカットするなど、祇󠄀園のお客さんの要望に応えながら、独自に進化を遂げました。しっとり柔らかく、やさしい味わいの「やき豚」は隠れた人気メニュー。
八坂神社の門前に店を構える「いづ重」は明治の末、鯖寿司で名高い「いづう」で修業した初代・重吉が独立、開業。以来100年以上にわたり祇󠄀園の人たちに愛される京寿司の名店です。名物の鯖寿司は、日本海対馬沖でとれたマサバを使い、上質な昆布で巻いて旨みと風味を引き立てています。
もう1つの名物、いなり寿司は一枚一枚丁寧に手揚げしたお揚げを使用。それをおくどさん(かまど)でふっくらと甘辛く炊き、麻の実やユズ、ゴボウなどで食感を軽くした酢飯を包み込んだ絶品です。
「都をどり」は4月30日まで開催中。芸舞妓の優美な舞と、京都を元気にしたいと願う祇󠄀園町の人々の心を、祇󠄀園甲部歌舞練場で実感してみてはいかがでしょう。
【次回放送情報】
■京都画報 第19回「春の祇󠄀園を彩る桜の舞 -都をどり・新たな舞台へ-」
BS11にて4月12日(水)よる8時00分~8時54分放送
※ 放送後、BS11+にて4月12日(水)よる9時~ 2週間限定で見逃し配信いたします。