京都といえば和菓子をイメージしがちですが、実は洋菓子の激戦区。今回は京都のコトやモノの情報を発信するライター・大橋知沙(おおはしちさ)さんが、常盤貴子さんを極上のスイーツ巡りに案内します。
大橋さんイチオシのスイーツ店「酒菓(しゅか)喫茶 かしはて」は、2022年9月にオープン。店主の得能(とくのう)めぐみさんは、アジアとヨーロッパの文化が混在するシルクロードをこよなく愛し、創作するお菓子も異文化への憧れを込めた、和と洋の要素が織り交ぜられています。10時から始まる「朝菓子の会」(予約制)は、オリジナルのスイーツメニュー4品をコース仕立てで提供。1皿目から3皿目までは季節によって内容は変わりますが、4皿目は木箱の中に砂糖で砂紋を描いた「食べられる枯山水」。苔や雪をまとった石は焼き菓子で、店の近くにある銀閣寺の向月台(こうげつだい)をイメージしているのだとか。
烏丸通り沿いの「菓歩菓歩(かぽかぽ)京都御所西店」は、京丹波町でカフェと菓子工房を営む石橋香織さんが、アンテナショップとして2022年6月にオープン。スイーツは京丹波町の工房から直送しています。栗好きに人気のモンブランは、京丹波産の栗を使用。さらに「京都・丹波極上渋皮栗のもんぶらん」は、その年に採れた新栗を使う、秋から翌春までの期間限定品です。栗は収穫から追熟まで徹底管理し、皮むきやペーストにするのもすべて手作業で行っているため多くは作れず、予約が必要です。またイタリアンメレンゲにホワイトチョコレートを混ぜたバタークリームを、香ばしいクッキー生地でサンドした「バターサンド」も看板商品の一つです。
平安神宮で知られる岡崎地区に、タルトタタンの名店として人気のカフェ「LA VOITURE(ラ ヴァチュール)」があります。初代店主の松永ユリさんは旅先のパリでタルトタタンに魅了され、帰国後、独学で理想のタルトタタン作りにまい進。いつしかユリさんのタルトタタンは評判になり、2006年には、フランスのタルトタタン愛好家協会から認定証が贈呈されました。その味を受け継いだのが孫の若林麻耶さん。タルトタタンは、1ホールにりんごを20個以上使用。りんごをバターと砂糖だけでカラメル状になるまで長時間煮詰め、あめ色になり、焦げ目がついたら、タルト生地をかぶせてオーブンへ。焼き上がったら、ひっくり返してひと晩味をなじませ、なんと完成までに4日間。りんごの水分量や味わいが季節によって変わるため、素材の状態を見極めながら作るのもおいしいタルトタタンの大事なポイントです。
四条河原町から歩いて数分、鴨川の西岸に2021年3月オープンした「フォションホテル京都」。「フォション」といえば紅茶で知られていますが、実は1886年にパリのマドレーヌ広場に高級食材店としてオープンしたのが始まり。イギリス生まれのアフタヌーンティーの習慣を、フランスに広めたのは創業者オーギュスト・フォションなのだとか。ホテルのティーサロン「サロン ド テ フォション」で楽しめるアフタヌーンティーは、一流のシェフパティシエールやホテル最上階レストランの総料理長の手によるもの。季節ごとにメニューが変わり、2月14日までは福岡県産のイチゴの「あまおう」を使ったスイーツに、チョコレートを加えた「バレンタインアフタヌーンティー」を期間限定で提供中です。紅茶も約20種類がおかわり自由。このホテルでしか味わえないオリジナル紅茶「ワンナイト イン キョウト」は、緑茶ベースのフレーバーティーで京都ならではの味わいが楽しめます。
【次回放送情報】
■京都画報 第29回「京都・極上スイーツ旅 -京都在住女性ライターいち推しの名店-」
BS11にて2月12日(月・休)よる7時00分~7時55分放送
出演:常盤貴子
※ 放送後、BS11+にて2月12日(月・休)よる8時~ 2週間限定で見逃し配信いたします。