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祇園祭 一度は鑑賞したい“おすすめ”の祭事

「京都三大祭り」のみならず「日本三大祭り」のひとつにもあげられる祇園祭。壮麗な「山鉾(やまほこ)巡行」や暗闇の下に灯る駒形提灯が幻想的な「宵山(よいやま)」が特に有名ですが、祇園祭とは、7月の1カ月を通して行われる様々な祭事や諸行事の総称です。関係者のみで執り行われるものも数多くありますが、特別な手続きなども必要なく、気軽に目にすることができる行事も。地元在住の京都人がこっそり教える“豆情報”を交えながら、特におすすめの祭事をご紹介しましょう。

もっとも多くの人出でにぎわう「宵山」

宵山(前祭)

祇園祭で行われる諸行事の中で、最もにぎわいを見せるのが宵山。特に7月14日から3日間行われる前祭(さきまつり)の宵山のうち、15日と16日は、夕方から山鉾町域が歩行者天国となり、露店なども出店して大いに盛り上がります。壮大な山鉾も多く立ち並び、祭りのムードはピークに達します。

宵山(後祭)

ちょうどその1週間後の21日から23日にかけて行われるのが、後祭(あとまつり)の宵山です。こちらは前祭とは違い、歩行者天国や露店の出店などがなく、人混みもさほど気になりません。その分、しっとりとした風情が楽しめるということで、あえて後祭の宵山を狙って京都に訪れるという方もいるそう。
鉾こそ大船鉾の1基しかありませんが、南観音山や北観音山、そして一昨年に山が再建された鷹山など見応えは十分。お囃子(おはやし)の演奏や、会所に飾られる懸装品の数々も、前祭に比べてゆったり鑑賞することができます。鉾や山が立つエリアも広域ではないため、巡りやすいのも嬉しいポイントです。

その年の山鉾巡行の順番に集める方も多いそう

そして近年、祇園祭でも人気となっているのが「御朱印」巡り。各山鉾の会所にスタンプ式の御朱印が置かれており、セルフで押印することができます。
スタンプはおおよそ、それぞれの山鉾が登場する前祭・後祭の宵山期間中に、各山鉾町の会所に設置。とりわけ前祭の宵山(15・16日)は、夕方以降に歩行者であっても交通規制(一方通行)が敷かれるので、効率よく御朱印を集めたい方は、夕方までの日中に巡られることをおすすめします。

「山鉾巡行」を見るなら、どこがおすすめ?

山鉾巡行(前祭・四条河原町交差点)

毎年7月17日と24日に行われるのが山鉾巡行。前祭の17日には23の山鉾が、24日には後祭の11基の山鉾が巡行に参加します。
巨大な鉾が多く登場する前祭の巡行では、「辻廻し」と呼ばれる方向転換を行う四条河原町や烏丸御池交差点が人気の鑑賞スポット。路面に青竹を敷き、その上で鉾の車輪をすべらせるように引っ張ることを3、4回繰り返し、鉾を90度回転させる様子は、ギシギシという音も上がり臨場感たっぷり。沿道からは惜しみない拍手が沸き起こります。

山鉾巡行(前祭・新町通)

一方、前祭の山鉾巡行観賞場所として“穴場”ともいえるのが、「新町通」です。四条通、河原町通、御池通といったメインストリートでの巡行を終えたすべての山鉾が、各山鉾町に帰る際に通る道です。「この道を鉾が通るの…?」と心配になるほどの道幅しかありませんが、風情ある佇まいの町家も多く残り、古き良き祭りの光景を見られるというメリットもあります。何よりも触れられそうなほどの目の前を通る山と鉾は圧倒的な迫力! 鑑賞される際は、警備の方や各山鉾の関係者からの注意事項などを守りながら、十分に気をつけて楽しみましょう。
※ 一部の山は、新町通の途中から進路を変えて各町に帰ります

山鉾巡行(後祭・四条河原町交差点)

前祭の山鉾巡行とは反対周りの進路となる後祭の巡行鑑賞スポットも、辻廻しが行われる河原町御池や四条河原町交差点が人気。実はこの日、山鉾巡行以外にも“ある巡行”が行われるため、そういった意味では特に四条河原町交差点付近での鑑賞がおすすめです。

花傘巡行(写真は巡行ルート変更前のものです)

後祭の山鉾巡行と同日、そしてほぼ同時刻(!)に行われるのが花傘巡行です。昨年(2023年)より、大幅に巡行ルートが変更となり、山鉾巡行と合わせて楽しむのであれば、烏丸通から河原町通間の四条通沿いがおすすめ。
花傘は山鉾の古い形態を現代に再現したものと言い、花傘巡行では10基がお目見え。さらに京都の花街の芸妓さんや舞妓さんも登場するなど華やかな行列として知られます。四条河原町付近であれば、花傘巡行が通り過ぎてすぐに、山鉾巡行の先頭となる橋弁慶山が到着。効率良く、花傘巡行と山鉾巡行の両方を楽しむことができるでしょう。

祇園祭が神事であることを色濃く伝える「神輿渡御(みこしとぎょ)」と「還幸祭(かんこうさい)」

還幸祭

祇園祭が八坂神社の祭礼として執り行われているということをご存知の方もきっと多いことでしょう。その一端を垣間見えるのが、17日に行われる「神幸祭(神輿渡御)」と24日の「還幸祭」です。この両日、暑さも少し和らぐ夕方から夜にかけて「ホイット、ホイット」という担ぎ手による独特な掛け声とともに、京都市中を3基の神輿が練り歩きます。
17日は八坂神社に祀られる三柱のご祭神を乗せた神輿が氏子町を巡った後に四条寺町の御旅所(おたびしょ)へ。そこで1週間を過ごされた神様を、再び氏子地域にお連れした後に、八坂神社にお戻しするのが24日の還幸祭となります。還幸祭が終われば、いよいよ祇園祭の熱気も収束ムードとなります。

今年も放送します! 「祇園祭 山鉾巡行」
BS11では、7月17日(水)および24日(水)に、恒例となった山鉾巡行の模様を京都より生中継。有識者をゲストにお招きし、各山鉾の解説や見どころなどをお伝えします。どうぞお楽しみに!

制作著作:KBS京都 / BS11

生中継 祇園祭山鉾巡行 前祭・後祭2024
【前祭】2024年7月17日(水)午前9時00分~11時29分
ゲスト:東 ちづる(俳優)
解説:八木 透(佛教大学 歴史学部教授)
【後祭】2024年7月24日(水)午前10時00分~11時29分
ゲスト:戸田 菜穂(俳優)
解説:八木 透(佛教大学 歴史学部教授)

BS11(イレブン)にて放送【全番組が無料放送】

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EDI京都文化観光チーム

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