ここからしか見えない京都
  

偉人たちに縁ある京都の紅葉スポット 前編

11月になり、京都の紅葉が色づき始めてきました。今年は残暑が長引きましたが、徐々に美しい色合いが見られています。
京都には数多くの紅葉の名所がありますが、その中から歴史上の偉人たちに縁のあるスポットを「前編」と「後編」に分けてご紹介。この秋は、偉人たちに思いをはせながら京都を巡ってみてはいかがでしょうか。

神護寺/谷崎潤一郎

「京都の紅葉の幕開けを告げるお寺」といっても過言ではないのが神護寺。市街地から離れた里山に位置し、例年11月上旬には、金堂前の石段を中心に紅葉が見頃を迎えます。せっかくなら、付近に堂宇を並べる西明寺や『鳥獣人物戯画』(国宝)の所蔵元としても知られる高山寺とともに、時間かけてゆっくり巡るのがおすすめです。

広大な神護寺境内の最奥ともいえる場所に佇むのが地蔵院。文人、谷崎潤一郎が代表作の1つである『春琴抄』を書き上げた場所といいます。閑静な山寺は、執筆活動にはうってつけだったかもしれません。
地蔵院のすぐそばに広がるのは錦雲渓の大パノラマ。谷崎もきっと眺めたであろうこの風景、神護寺を訪れたなら、ぜひ楽しんでみてください。

等持院/足利尊氏

京都に誕生した武家政権、室町幕府。その創始者である尊氏が眠り、足利15代将軍の菩提寺とされるのが等持院です。政敵として闘いを繰り広げた後醍醐天皇が祀られる天龍寺の末寺にあたる臨済宗のお寺で、金閣寺や龍安寺などからもほど近いエリアにあります。

この時期に注目したいのが、境内に広がる2つのお庭。芙蓉池を配した「西庭」と、心字池をたたえる「東庭」は絶好のモミジ狩りスポットです。西庭は書院に座してお茶(抹茶600円、番茶400円)をいただきながらじっくりと、東庭はモミジの赤に染まる園路を歩きながらゆったりと眺めてはいかがでしょうか。
そして2つのお庭の中間に立つのが、尊氏の墓とされる宝筐印塔(ほうきょういんとう)です。あまりにもひっそりと佇んでいるため見逃してしまいそうなほど…。等持院を訪れたなら、忘れずにお参りしましょう。

醍醐寺/豊臣秀吉

天下統一を成し遂げたとされる豊臣秀吉。「秀吉」と「京都」というワードで連想されることの1つに、春に行われた盛大な「醍醐の花見」があります。
「花見がしたい!」と、畿内から醍醐寺に集められた桜の木は約700本、招かれた女性は1,300人ほどで、その「衣装代」は現在の価格で約40億円とも。“人生最後の大イベント”はさぞ壮麗で優美なものだったでしょう。

しかし当時の秀吉自身は、“人生最後”とは考えていなかったよう。そのことが伺い知れるのが、国の特別史跡・特別名勝である「三宝院庭園」です。醍醐の花見に合わせ、秀吉が自ら設計したと伝わり、この地で“醍醐の紅葉狩り”を行う計画があったといいます。
しかし秀吉は醍醐の花見を行ったその年、秋を迎えることなく、この世を去ることに…。桃山時代の華やかな雰囲気を伝えるこのお庭ですが、歴史を知ると、見え方が変わるかもしれません。

いよいよ秋本番! 京都の紅葉風景をとくとご覧あれ

BS11では、11月27日(水)よる7時00分より、嵐山の隠れた紅葉の名所である鹿王院(ろくおういん)を中心に、市内数カ所からライトアップされた紅葉を生中継でお届け!
紫式部、清少納言、松尾芭蕉など歴史に名を残す文学者たちのエピソードを交えつつ、縁の名所をご紹介します。どうぞお楽しみに。

【放送時間】
京都紅葉生中継2024~今昔の文人が愛した絶景~
2024年11月27日(水)よる7時00分~8時53分
BS11(イレブン)にて放送

総合司会:海平和(KBS京都アナウンサー)
メインゲスト:井本彩花(俳優)
解説:若村亮(らくたび代表)
中継リポーター:佐藤彩加(KBS京都アナウンサー)
中継出演:嵯峨大念佛狂言
VTR出演:ななせ(小説家)

制作著作:KBS京都 / BS11

この記事を書いた人
EDI京都文化観光チーム

タグ一覧

#人気ワード