ここからしか見えない京都
  

偉人たちに縁ある京都の紅葉スポット 後編

京都の紅葉もいよいよ見頃!「前編」に引き続き、歴史に名を残す偉人たちに縁ある京都の紅葉スポットをご紹介します。紅葉旅の参考にどうぞ。

圓光寺/徳川家康

江戸幕府を開いた初代将軍・徳川家康。京都で縁のあるお寺としては南禅寺の塔頭寺院・金地院がよく知られますが、洛北にある圓光寺もそのひとつです。
圓光寺は、家康の命により、伏見の地に教学の発展を目的とした学校として創建されました。伏見は酒どころとしても有名な場所です。その後、江戸時代の1667年(寛文7年)に、現在の地に移り、界隈の詩仙堂や曼殊院などとともに紅葉名所として知られています。

殊に書院から眺める「十牛之庭」の美しさで知られますが、訪れた際には、園路に沿って境内の高台にもぜひ足を延ばしてみましょう。お堂にすっぽりと取り囲まれたかのような庭の紅葉が見下ろせるだけでなく、京都市街地や西方の山並みなど、開放的な風景を目にすることができます。
そして、その傍らには、お寺の開基である「家康の墓」も静かに佇んでいます。久能山(静岡県)や日光(栃木県)の東照宮など家康の墓は全国に数カ所点在しますが、圓光寺もそのひとつ。こちらでは家康本人の歯が埋葬されていると伝わります。家康も秋ごとに、この地から紅葉に染まる境内を眺めているかもしれませんね。

東福寺/東山魁夷

昭和から平成に活躍し、「国民的日本画家」とも称される東山魁夷(ひがしやま かいい)。彼は日本各地、時には海外も取材しましたが、川端康成から「京都を描くなら今のうちですよ」と勧められ、京都での作品制作に取りかかりました。

嵯峨野や円山公園、修学院離宮など、京都を描いた作品の数々を、1968年(昭和43年)に『京洛四季』として発表。その中には、紅葉名所として絶大な人気を誇る東福寺を取材したものも含まれていました。
「東福寺庭」と題された作品に描かれているのは、本坊にある4つの庭のうちの北庭。苔と切り石で構成された“モダン”なこの庭は、昭和の名作庭家・重森三玲の手によって1939年(昭和14年)に完成したものです。京都にある多くの文化財や風景の中から、完成してわずか30年ほどのこの庭を選んで描いたことには、少々意外な印象も受けます。
北庭が赤や黄、オレンジなど色彩豊かに彩られるのは、例年12月上旬のこと。雨の後、苔の上に葉が散る光景もまた一興です。

廬山寺/紫式部

廬山寺は京都御苑の東に佇む天台圓淨宗のお寺。“おみくじの始祖”とされる元三大師良源により天慶年間(938~947年)に、船岡山の麓付近に創建されたといいます。移転を繰り返し現在の地に定まったのは、本能寺の変などが起こる天正年間(1573~1592年)のこと。そして、現在の堂宇が立ち並ぶこの地は、考古学者・角田文衛により、“紫式部の邸宅址”と考証され、近年は「源氏物語執筆の地」として名を馳せるようになりました。

本堂の前に広がるのは「源氏の庭」。紫の可憐な花をつける桔梗の名所として知られますが、秋は庭を取り囲むような濃い赤やオレンジの紅葉が印象的で目を引きます。 また、煌びやかな屏風絵や「源氏物語絵巻(複製)」、「貝合わせ」など、平安の貴族文化を伺い知ることができる優美な展示にもご注目を。

いよいよ秋本番! 京都の紅葉風景をとくとご覧あれ

BS11では、11月27日(水)よる7時00分より、嵐山の隠れた紅葉の名所である鹿王院(ろくおういん)を中心に、市内数カ所からライトアップされた紅葉を生中継でお届け! 紫式部、清少納言、松尾芭蕉など歴史に名を残す文学者たちのエピソードを交えつつ、縁の名所をご紹介します。どうぞお楽しみに。

【放送時間】
京都紅葉生中継2024~今昔の文人が愛した絶景~
2024年11月27日(水)よる7時00分~8時53分
BS11(イレブン)にて放送

総合司会:海平和(KBS京都アナウンサー)
メインゲスト:井本彩花(俳優)
解説:若村亮(らくたび代表)
中継リポーター:佐藤彩加(KBS京都アナウンサー)
中継出演:嵯峨大念佛狂言
VTR出演:ななせ(小説家)

制作著作:KBS京都 / BS11

この記事を書いた人
EDI京都文化観光チーム

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