2024年は辰年。十二支の1つである辰は、架空の霊獣「龍」のことで、古来、水の神として崇められてきた。辰年にちなみ、龍にゆかりのある神社を参詣してみたい。
鴨川の源流の1つ、貴船川(きぶねがわ)にある貴船神社(きふねじんじゃ)の祭神は高龗神(たかおかみのかみ)。雨と龍の文字が示す通り、水の供給を司るとされる。本宮社殿前の石垣からは貴船山(きぶねやま)の湧き水がこんこんとあふれ、その神水に浸すと文字が浮かびあがる「水占(みずうら)みくじ」が人気だ。奥宮本殿の真下には「龍穴(りゅうけつ)」といわれる大きな穴が存在しているという。「きふね」は古くから気の生ずる根源として「氣生根」と記され、神気に触れることで気が満ちるとされてきた。神秘的な境内で、龍神のエネルギーに身をゆだねてみたい。
陰陽道に伝わる四神(東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武)が守る京都。青龍がいるといわれているのが八坂神社だ。本殿には素戔嗚尊(すさのおのみこと)と櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)の夫婦神と、その子供たち八柱御子神(やはしらのみこかみ)が祀られ、ご利益は疫病退散、縁結び、商売繁昌など。境内の各所から湧き水が出ており、本殿東の涌き水「御神水」は、大神様の力をいただける清らかな水で「力水」とも呼ばれる。また境内の美御前社(うつくしごぜんしゃ)前に湧き出る神水「美容水」は、肌に数滴つけると身も心もきれいになるという言い伝えがある。貴船神社と同じように、本殿の下には龍穴があり、そこから大地の気が清水とともに湧き出ていると伝えられ、清水は二条城の南にある神泉苑までつながっているといわれる。
さらに“龍脈”といわれる地下水が神泉苑からつながっているとされるのが伏見神宝(かんだから)神社。伏見稲荷大社の千本鳥居を抜ける途中の丘にあり、天照大御神を祭神とし、稲荷大神を配祀する。強い霊力が宿るという神器「十種神宝(とくさのかんだから)」を奉安する。本殿前には狛犬ではなく、天龍と地龍が向かい合う。摂社の龍頭社の横には龍頭像が鎮座する。神泉苑の池から龍が頭を出した姿を表しているそうだ。頭をなでると願いが叶うといわれる。
制作著作:KBS京都 / BS11
【放送時間】
京都浪漫 悠久の物語
「辰年に行く!京の龍脈巡り~貴船神社・八坂神社・神泉苑・伏見神宝神社~」
2024年1月15日(月) よる8時~8時53分
BS11(イレブン)にて放送